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”ホリエモン”こと堀江貴文さんが手掛けていることで有名なベーカリー『小麦の奴隷』
冷凍生地を使用し、パン職人が必要ないオペレーションと名物の『ザックザクカレーパン』を武器に全国各地へFC展開をしており、130店舗以上にまで拡大。
飛ぶ鳥を落とす勢いの『小麦の奴隷』ですが、一部店舗に関しては開店後、間もなく閉店しているようです。
閉店の理由について『小麦の奴隷』を手掛けているホリエモンさん本人の分析を含め解説していきます。
小麦の奴隷はどんなパン屋?
冷凍生地を使用したパン屋
『小麦の奴隷』は冷凍生地を使用したパンが特徴です。
従来のベーカリーに必要な”生地の仕込み”の工程を店舗で行う必要がなく、いわゆる”パン職人”がいない状態でのパンの焼き上げを可能にしました。
パン作りをしたことがない方はイメージがつきにくいかもしれませんが、”仕込み”工程は何十キロとある生地を持ち上げる重労働、かつ小麦や卵・砂糖などたくさんの材料を軽量する手間・繊細さが必要であり、更に気温や湿度により毎日生地のあがり具合が変化するため豊富な経験や知識が必要と様々な条件をクリアしている人材でないと難しいです。
この”仕込み”工程がパン業界における後継者不足や人員不足の大きな要因のひとつとなっています。
『小麦の奴隷』は冷凍生地の使用で、この”仕込み”工程を店舗でスキップすることにより、急激な店舗拡大をすることができました。
名物は『ザックザクカレーパン』
『小麦の奴隷』といえば真っ先に思い浮かぶのがカレーパンです。衣に”クルトン”を大量にまぶしたのが特徴でSNSでも話題になっています。
『小麦の奴隷』を知らない方でも、このカレーパンは見たことがあるという方は多いのではないでしょうか。
ちなみにこのカレーパンは日本カレーパン協会が主催する《カレーパングランプリ 東日本揚げカレーパン部門》で3年連続金賞を受賞しています。
巧みな立地戦略
堀江貴文さん曰く、『小麦の奴隷』は田舎のほうが成功するようです。
パン業態は後継者不足により”町のパン屋さん”の閉店が相次いでいます。
パンの需要自体はあるものの、パン屋をやる人がいないということですね。
地域を調査し、パン好きな人が仕方なくコンビニやスーパーのパンを食べている状態の立地に積極的に出店して成功・拡大をさせていきました。
実際、『小麦の奴隷』の公式HPには「地方にビジネスチャンスあり」と大きく記載されています。
そんな『小麦の奴隷』は2020年の大樹本店 オープン以降、順調に店舗数を拡大してきています。
経営戦略・出店戦略がうまくハマっているようですね。
大樹本店はオープンから2年以上経過していますが、赤字の月は1度もなかったようです。
順調な小麦の奴隷 閉店したのはどこの店舗!?
2024年7月時点で156店舗にまで拡大している『小麦の奴隷』ですが、中には不採算店もあるようで、2022年に入ってからは閉店している店舗が少し見受けられます。
2022年10月以降で、以下の店舗が閉店・休業となりました。
- 2024年10月 小麦の奴隷 沼津店
- 2024年4月 小麦の奴隷 北九州葛原店
- 2024年3月 小麦の奴隷 備後府中店
- 2024年1月 小麦の奴隷 行橋店、小麦の奴隷 若松店
- 2024年12月 小麦の奴隷 枚方店
- 2023年10月 小麦の奴隷 新居浜店
- 2023年9月 小麦の奴隷 つくば店、小麦の奴隷 那須烏山店、小麦の奴隷 上富良野店、小麦の奴隷 菊川店
- 2023年7月 小麦の奴隷 熊谷店、小麦の奴隷 天童店
- 2023年6月 小麦の奴隷 河内長野店
- 2023年4月 小麦の奴隷 那覇泊店
- 2023年2月 小麦の奴隷 児島店
- 2022年10月 小麦の奴隷 住之江店、小麦の奴隷 越谷蒲生店、小麦の奴隷 宮城柴田店、小麦の奴隷 金沢長坂台店
住之江店はオープンからわずか3か月での閉店となっています。
閉店の理由とは?
結論からお伝えすると、閉店の理由は店長人材の確保ができなかったことです。
ホリエモンさん自身がLIVE配信で「小麦の奴隷の経営には店長人材というのが割と重要というのがだんだんわかってきた」と発言をしています。直近の閉店店舗の共通点として、オーナーと店長の間に何かしらの問題があり、オープンから3か月で閉店した住之江店に関しては店長が早々に退職してしまったようです。
オーナーが何もせず店長に任せきりのケースだと、店長人材の質が店舗成績に直結するため、人材の確保ができなかった場合は赤字経営状態になっていく確率が高くなります。
オーナー兼店長のFC店舗はなにがなんでもやるしかない為比較的いい成績が残りやすく、ホリエモンさんの中での”理想”みたいです。
これはどの飲食店でも言えることかもしれませんが、他の業態に比べて店長人材の質が売上に与える影響が大きいということなのでしょう。
パン屋には《物販》という側面があり、レストランや居酒屋とはまた違った経営スキルが必要となります。
数店舗が閉店しているとはいえ、かなりの勢いで全国に出店を拡大している『小麦の奴隷』の今後の展開に注目していきたいところですね。
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