天然とんこつラーメン専門店『一蘭』
過去に日本一営業利益率が高い飲食チェーンだったことがある、人気のラーメンチェーン店です。
しかし、2020年以降、『一蘭』が各地で閉店しているのをご存知でしょうか?今回は高い利益率を誇っていた『一蘭』の閉店の理由について調査しました。
『一蘭』閉店店舗一覧
まずは、『一蘭』の閉店店舗をみていきましょう。
- 2023年10月 一蘭 福岡空港店
- 2022年4月 一蘭 西新店
- 2020年3月 一蘭 京都洛西店、一蘭 名古屋当知店
2023年までは多々閉店がありましたが、2024年以降は新規店舗のオープンも行っており、復調傾向にあるといえるでしょう。
『一蘭』は日本一営業利益率が高いラーメンチェーン!?
2018年5月23日(水)発売 日経MJの「第44回 日本の飲食業調査」によると、2017年度の『一蘭』の経常利益率は14.7%で経常利益ランキング1位でした。ラーメンだけでなく、飲食業態全体での利益率1位ということですね。
利益率が高い要因としては、以下の画期的なオペレーションシステムが挙げられます。
『一蘭』の利益率が高い理由
『味集中カウンター』により回転率が上がる
『味集中カウンター』とは、名目上はラーメンの味に集中するための仕切りがあるカウンターのことですが、これにより客同士の会話がなくなり回転率が上がります。
また、会話がないことにより商品提供までの時間には、自然と座席にある『一蘭の物語』を読んでしまい、それがファン化にも繋がっています。この『味集中カウンター』は特許を取得しており、簡単には他店が真似できないようになっています。
接客が発生しない(案内は自動音声、注文と会計は券売機)
自動音声の導入で、飲食店で常に課題とされている”接客”がないことにより、接客指導が要らず研修費がかからなくなります。
また、券売機を設置することにより、従業員による会計が発生しないため余計な人員をかけずに運営することができます。飲食店では頻繁に起こる、会計ミスや現金盗難等のリスクもかなり少なります。
即戦力として外国人採用が可能
お客様と会話をする必要がないため、日本語を勉強中の外国人でも採用が可能になります。そして、商品提供のオペレーションに関しても、セントラルキッチン導入により簡略化されているため特別な調理技術は不要です。
飲食業界は全体的に人不足に悩まされていますが、外国人が選択肢に入ることにより採用の幅が広がるため人員不足に陥りにくくなります。人員不足解消によって、提供がスムーズになり回転率が上がる・お客様満足度が上がりリピート率が高まる等、利益に繋がる効果が期待できます。
『一蘭』閉店の理由は!?
コロナによる外国人客の大幅減少
『一蘭』は、SNSでの拡散の成功や創業以来変わらない こだわりのとんこつラーメンが支持され、多くの外国人観光客が来店していました。
高い利益率を誇っていた『一蘭』の経営が崩れ始めたのは、コロナウイルスの影響を受けてからです。特に浅草や渋谷など、外国人が立ち寄りやすい立地の店舗は大打撃を受けました。
コロナウイルスの影響は飲食店全体にありましたが、一蘭の全体的な出店立地はより影響を受けやすい箇所でした。
繁華街中心の立地
『一蘭』の店舗があるのは繁華街が中心です。
コロナウイルスの影響による外国人客の減少に加え、仕事帰りのサラリーマンや飲み会後の学生等に関しても段々と集客が難しくなってきたようです。遅い時間の売上が見込めないため、営業時間短縮が必要となりました。
繁華街は家賃が高い所が多く、時短営業では売上に対して家賃が釣り合わない状態となったのでしょう。
強気の価格設定
『一蘭』のラーメンは、1杯 890円〜980円(店舗により異なる)と高めの価格設定です。他のラーメンチェーン店と比較しても10%〜20%くらいは高いのではないでしょうか。
観光にきた外国人や飲み会後の締めなら多少の金額差は気にしないと思いますが、普段から通って食べようとは思えない価格と感じる方は多いかもしれません。
味は本格的で美味しく、オペレーションシステムも画期的なので、外国人観光客だけでなく一般の利用客も来店すやすいような価格にしてもらいたいところですね。
一蘭の今後に注目していきましょう。
※本記事のサムネイル画像は天然とんこつラーメン 一蘭 (ichiran.com)より引用しております。
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