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日本一のお弁当チェーン『ほっともっと』
からあげ弁当やのり弁当を中心に人気を集め、現在は全国2,800店舗以上を運営しています。
そんな『ほっともっと』ですが、2019年から閉店が相次ぎ、運営元の株式会社プレナスは赤字決算が続いています。
低迷の要因は一体なんなのか!?調査しました。
『ほっともっと』直近の閉店店舗
- 2024年5月 ほっともっと 東市来湯田店、ほっともっと 杉戸内田店、ほっともっと 高幡不動駅前店、ほっともっと清水三保店
- 2023年9月 ほっともっと 本庄東台店
- 2023年8月 ほっともっと 和歌山御坊店
- 2023年7月 ほっともっと 霞ヶ浦店
- 2023年3月 ほっともっと 六本松駅前店
- 2022年10月 ほっともっと 普天間店
- 2022年9月 ほっともっと 警固店
- 2022年7月 ほっともっと 大津バイパス店
- 2022年6月 ほっともっと 呉羽店
『ほっともっと』低迷の要因とは?
コンビニ商品のクオリティが上がってきた
ご存知の方も多いと思いますが、コンビニ弁当のクオリティは年々あがってきています。
500円前後で手頃に購入しやすいお弁当が多く、『ほっともっと』のような”お弁当屋”でわざわざ購入しなくても、コンビニで購入すれば良いという風潮になりつつあります。
また、『ほっともっと』のような”お弁当屋”だと基本的にはご飯の選択肢しかないですが、コンビニはお弁当のクオリティだけでなく、パンや惣菜などその他の商品のクオリティも格段に高まってきており、選択肢が豊富です。
食べたいものが特に決まってない時は、コンビニの方が立ち寄りやすくなってきます。
立地的にもコンビニのほうが数が多いので、わざわざ遠方の『ほっともっと』まで買いに行かなくても、近所のコンビニで良いかな となりますよね。
このように、お弁当屋とコンビニを比較した際に、コンビニが選ばれやすくなる理由が多数あります。
この選ばれやすさはとても重要ですから、『ほっともっと』はコンビニによってかなり厳しい状態に追い込まれているといえるでしょう。
待ち時間が長い
『ほっともっと』を利用する際の難点としては、待ち時間が長いことです。
出来立ての美味しいお弁当が食べれるのは良いのですが、注文してから早くても5分程度はかかります。弁当のメインとなる焼き料理や揚げ物の調理する時間は、どれだけ早くても最低それぐらいはかかるからです。
しかし、どうせ数分待つなら客席のある飲食店で食事してから帰ってもいいように思います。わざわざ『ほっともっと』まで行って、注文したのに持って帰る時間で少し冷めてしまうとあまり意味がないですよね。
現代社会はインターネットの普及により、情報量が多いことから、以前より生活の時短が求められるようになってきています。そういった中でお弁当屋で数分待つというのは、かなり悪印象になるのです。
高すぎる原価率
『ほっともっと』の1番人気《唐揚げ弁当》の原価率は50%近くといわれています。一般的な飲食店の原価率は30%が平均なので、20%もオーバーしているということになりますね。
お弁当業態は持ち帰りのみなので、レジ以外での接客や客席が必要なく、その分の人件費や家賃が抑えられるとは思いますが、それにしても原価率が高いかなと感じます。
最近ではロシア・ウクライナ戦争や鳥インフルエンザの影響により、更に原材料価格が高騰しているので、経営の圧迫は避けられないでしょう。
人件費の高騰・劣悪な労働環境
少子高齢化による労働人口減少により、最低賃金は年々上昇傾向にあります。日本全体として求人が集まりにくい状況にある中で、『ほっともっと』のようなお弁当屋さんの求人は非常に厳しい状態になっています。特に女性は、揚げ物や炒め物の匂いがうつるお弁当屋より、コーヒーの香りがするおしゃれなカフェで働きたいと思う人は多いのではないでしょうか。
厳しい状況の店舗では最低賃金から200円以上引き上げて、求人募集をしているケースもあるようです。時給が高騰している中で、『ほっともっと』のオーナーや社員は利益が出るようにコントロールをしなくてはいけないため、どうしてもその皺寄せがオーナー・社員にいくようになります。
劣悪な労働環境により、体調を崩したり、社員が退職するなど満足に運営をできる状況でない店舗もあるようです。
『ほっともっと』今後の展開を予想
『ほっともっと』は、既存の直営店のフランチャイズ化を積極的に実施しています。しかし、これは直営店舗で儲かっていればそのまま運営可能なはずなのに、あえてフランチャイズを増やしているということにもなります。フランチャイズ店にすると、その店舗が赤字でも”ロイヤリティ”という形で本部に収益があがるので、『ほっともっと』の本部としては有り難いわけです。
これらの情報を整理して推測すると、『ほっともっと』はかなり厳しい状態にあると言えます。そのため、『ほっともっと』は徐々にですがこのまま衰退していくのではないかと予想しております。
『ほっともっと』を運営する株式会社プレナスは、2023年2月に経営陣の自社買収(MBO)による、上場廃止を発表しています。株主からの圧力をなくすことにより、長期的な経営改革に専念しようという目論見です。
しかし、資金調達が難しくなるのは、大きなデメリットとなります。この判断が吉と出るか凶と出るか、今後の『ほっともっと』の動向に注目していきましょう。
※本記事のサムネイル画像はほっともっと公式サイト (hottomotto.com)より引用しております。
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