パン・料理

パン屋さんのバイトは楽しい?キツイ?【パン屋店長が解説】

パン屋さんでのアルバイトに憧れる方も多いのではないでしょうか?

私は現在パン屋さんで店長をしていますが、実際の採用面接のときに年代問わず「パン屋さんで働いてみたかった」という志望動機を話す方が多数います。

そこでパン屋さんのアルバイトにはどんなメリット・デメリットがあるのか、現役パン屋店長が解説していきます。

パン屋さんはどんな仕事をするの?

大体の店が2つの職種(販売 / 製造)に分かれます。

パンの販売・レジスタッフ

【パンの包装、陳列、カット】

焼きあがったパンを袋詰めしたり、店頭への陳列をします。食パンやバゲットは6枚切り等の厚さにカットしてから包装・陳列を行います。

【レジ打ち】

①お客様が持ってきた商品をレジ打ちしてお会計をするパターンと②ショーケース等に入っている場合でお客様が言った商品を店員が取りお会計をするパターンがあります。①はスーパースタイル、②はケーキ屋さんスタイルというと分かりやすいでしょうか。

【ドリンク】

こちらは店舗によってある場合とない場合がありますが、パンとコーヒーや紅茶等のドリンク類は相性がいいのでカフェメニューに力を入れている店舗も多いです。

【イートインスペースの管理】

開店前の準備や閉店後の片づけ、営業中のお客様が利用した後のテーブル拭きや備品関係(コーヒーに使うシロップや紙ナプキン等)の補充があります。

【予約の受付・管理】

パン屋さんでは商品の予約を承っている店が多いです。座席の予約ではなくパンの取り置きが多い印象です。パンの焼き上がり時間が種類によって違うことや、目当ての商品の売り切れを避けたいお客様が多いため予約も度々あります。

パンの製造スタッフ

パンの製造業務は店舗によって仕事内容が大きく異なります。

小麦粉と水やイースト等を混ぜて生地から練っている店舗もあれば、成形済みのパンを仕入れて焼くだけの店舗もあります。

サンドウィッチのように具材を挟むだけの店舗もあるかもしれないですね。

基本的には製パンに携わる業務というイメージで間違いはないです。

パンの製造業務に携わってみたい方は事前に自分がどこまでやりたいのか、希望の店はどのようにパンを焼き上げているのかを見に行ってから応募するほうが良いと思います。

パン屋さんのバイトはおすすめ?

結論からお伝えするとおすすめ・楽しいです!パン屋を経営していますが人手不足でおすすめしているわけではないのでご安心ください(笑)

しかしこれはパンの販売・レジスタッフとしてのアルバイトの場合です。販売スタッフがおすすめな理由を解説していきますね。

焼きたてのパン・新商品のパンが食べられる!

焼きたてのパンは本当においしいです。バターとか何もつけずに食べてもおいしい。焼きたてのパンを食べたことがない方も多いのでは?と思いますが、焼きたてのパンを食べるとパンに対するイメージや価値観が変わります。

パン屋さんでアルバイトをすると必ず焼きたてのパンに出会えます。

また、発売前の新商品を食べれる機会もあるかもしれません。

お客様に聞かれたときに味を説明するためです。

これはパンに限らず飲食店全般かもしれないですが、発売前の商品を食べれるのは嬉しいですよね。

また、ロスパンを持ち帰れるまたは安くで購入できる店舗もあります。(食中毒の関係で廃棄にする店舗もあります)

ロスパンというのは閉店まで売れ残って、翌日にはもうお客様へ販売できないパンのことです。

※廃棄パンに関するルールはお店によって異なるので注意してください。

直接聞くのはなかなか難しいと思うので、気になる店があれば閉店時間少し過ぎた頃にチラッと除いてみたりするといいかもしれません。

たくさんの人と接客ができる!

接客が好きな人のみのおすすめな理由になりますが、パンは日常食で消費期限がそれほど長いわけではないので、毎日多くのお客様が来られます。

パン屋さんは同じ飲食店でも居酒屋やレストランとは違ってお客様ひとりひとりにかかる時間が短いですが、その分たくさんの方と接客する機会があります。

同じレジ業務でも、スーパーやコンビニよりお客様との会話が多いと思います。

パン屋さんは良い香りがする!

パン屋さんによく行く方はご存じかと思いますが、パン屋さんは小麦やバターが焼ける香りが店中に広がって良い匂いがします。

コーヒーを提供していたらその香りも加わってさらに良い匂いです!

居酒屋やお弁当屋さんだと揚げ物が多く油の匂いが服や髪に染み付いたりすることもありますが、パンの香りなら大歓迎!って方も多いのではないでしょうか。

仕事内容がシンプル!

パン屋さんの仕事はシンプルです。

パンの種類は覚えないといけないですが、基本的にパンの形や具材が関係しているので自然と覚えます。

記憶力に自信のない方でもわけのわからない組み合わせの暗号を覚えるわけではないのでご安心ください。誰でも覚えられます。

数年前までは種類に加えて値段を覚えている店舗も多かったですが、最近ではレジのハイテク化が進んでいて、パンの値段はレジが記憶しているので覚えなくていい店舗のほうが多いようです。

テクノロジーに力を入れている店舗であればトレイにのっているパンをレジのカメラが撮影するだけで会計に反映される店舗もありますね。

セルフ会計の店舗もあります。

また、居酒屋やレストランと違ってお客様に呼び止められることが比較的少ないです。

呼び止められることが少ないとなぜいいのかというと、その状況に合わせて臨機応変に対応しなくても済みますし、忙しい中だったとしても自分のペースをある程度保って仕事を進められます。

レジで『持ち帰りですか?』や『レジ袋はご利用ですか?』といった決められた内容を質問するだけで大丈夫なことが多いです。

居酒屋だと決まったかけ声があったりとか、こだわっているレストランだと毎回料理の説明を覚えてお客様に説明したりとか、結構大変ですよね。

パン製造スタッフがおすすめできない理由は?

パン製造スタッフがおすすめでない理由は『特別な技術が必要』・『暑い』・『重い』この3つです。

技術が必要

パンの製造は少し特殊です。生地を綺麗な丸型にするだけでも結構な時間の練習が必要になります。

もちろん個人差はありますが、作っているのを見ているとそこまで難しそうに見えないことでも実際やってみると結構難しかったりします

アルバイトとして勤務するということは週2~3回程の勤務が平均かなと思いますが、かなり練習する時間が必要な業務に対して実際の働く時間が追い付いてこないんです。

仕事に慣れず作業がスムーズにいかないとパンは常に発酵していくので、時間に追われての作業ばかりになりどんどん不細工なパンになっていきます。

なので最終的には上達が感じられなかったり、簡単な仕事ばかり任せられるようになった結果、最初のイメージと違いパンを作っている満足感や達成感が得られなくて辞めていく方が大半です。

どうしてもパン作りがやりたいなら頑張れると思いますが、パン作ってみたいなと思って興味本位で応募・勤務すると後悔することになるかもしれません。

まったくの未経験から開始するなら最低でも週4回ぐらいの勤務がおすすめです。

大変な仕事ではありますがパン作り自体はやりがいもあって楽しいです。

仕事にするべきなのか、パン教室や家でたまに作るのではダメなのかをよく考えてから勤務したいところですね。

暑い

パンを焼くオーブンは大体200度近い温度に設定されています。

オーブンは横幅は1~3mぐらい、高さは2mほどのものが多く、そこから絶えず熱気が流れてきます。

中にはしっかり設計されていて常に涼しい店舗もあるのですが、特に夏場は冷房だけでは冷やしきれないぐらいの熱気になるのでかなり暑いです。

重い

パン屋さんは1日にたくさんのパンを作ります。1,000個、2,000個作るパン屋さんも珍しくないです。

パン1つは大体50g~200g前後、食パンだと500gぐらいになります。

1個当たりの重量はそこまでですが、一度に大量に作るので10kgや20kg以上を持ち上げないといけないことも頻繁にあります

長年パン屋さんで勤務している方は腰や肩、首を痛めたりすることも多いです。

パン屋さんのアルバイト探しの注意点

店舗の規模に注意しよう

店舗が広いということはそれだけ多くのお客様が来られます。

《ゆったりお客様との会話を楽しみながらパンを販売する》というイメージを持っていると、大型店舗での勤務はイメージとのギャップがかなり大きくしんどくなります。

そこまで売り場が大きくない店舗で経験を積んでからのほうが良いかもしれません。

メニュー数に注意しよう

パンやドリンク、フード類のメニュー数が多いということはそれだけ覚えることも多いということです。

お客様にとっては嬉しいことだと思いますが、色んなジャンルに手を出している店舗やメニューが絶えず入れ替わっている店舗は覚えることが多いので、家事や学業・子育てなど私生活が忙しいときは負担にならないように避けたいところですね。

客層・スタッフの雰囲気に注意しよう

中には立地の関係でマナーの悪い人が多い店や、偉そうな人が多い店もあります。

また、働いているスタッフの年齢層は自分に合っているか・いい環境で働けそうな雰囲気か、応募の前に来店して必ずチェックしておくべきです。

イメージと違い退職することになると自分の時間はもちろん、丁寧に教えてくれた方の時間も無駄になります。

また、好きなパン屋さんなのに退職したことによって行きづらくなったりするかもしれません。

応募前の下見は必ずするようにしましょう。

まとめ

・パン屋さんの仕事は『販売スタッフ』と『製造スタッフ』に分かれる。

販売スタッフとしてのアルバイトはおすすめ

⇒焼きたてのパンや新商品が食べられる・仕事が簡単

・製造スタッフは『特別な技術が必要』『暑い』『重い』ので体力に自信がないと難しい

求人応募の際は店舗規模、メニュー数、店の雰囲気に注意

・アルバイトの応募は必ず下見をしてから

 

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