パン・料理マーケティング

閉店ラッシュ!?「高級食パン専門店」の闇とは?

数年前にブームになって以降、全国各地に出店し続けていた『高級食パン専門店』

そんな高級食パン専門店ですが、最近続々と閉店する店舗が出てきています。

閉店ラッシュの要因と高級食パン専門店の【闇】について、現役パン屋店長が解説・考察していきます。

『高級食パン専門店』とは?

その名の通り”高級な食パン”を販売している専門店のことです。

高級食パンと通常の食パンの違いは「生クリーム」「蜂蜜」「こだわった牛乳、バター」など通常の食パンより価格の高い材料を混ぜ込んでいることで、お店ごとに工夫が凝らされています。

1本(1.5~2斤分)で1,000円以上の価格も珍しくなく、日常のちょっとした贅沢として利用されるとともにギフトや手土産としても人気を集めています。

『乃が美』や『銀座に志かわ』といった店舗が有名です。

変わった店名の『高級食パン専門店』が増えている?

「ねえぇほっとけないよ」「うん間違いないっ! 」「真打ち登場」「君は食パンなんて食べない」など、様々な店名の高級食パン専門店があります。

これらはテレビや雑誌でも紹介されているパンプロデューサーが手掛けた店舗で、話題性や新規客獲得を狙い変わった店名をつけていると思われます。

また、この変わった店名の高級食パン専門店は、テイクアウト用の紙袋をはじめとした包材類に関しても奇抜で派手なものを使用していることが多いです。

『高級食パン専門店』の閉店ラッシュの理由は?

『高級食パン専門店』閉店ラッシュの一番の理由としては高級食パンの需要に対して店舗数が増えすぎたことでしょう。

日本各地で高級食パン専門店が展開されており、物珍しさがなくなりつつあります。

高級食パンは価格的に毎日購入するのは難しく、また、1本単位での販売がメインのためサイズが大きいにもかかわらず、賞味期限が2日前後と決して長くはないです。

日常利用ではなくギフト・手土産利用に対して店舗数が一気に拡大しすぎたのでしょう。

コンビニやスーパーの食パンクオリティが年々向上していること、原材料価格高騰による経営の圧迫も大きな要因です。

高級食パン専門店の【闇】

閉店ラッシュが続いている『高級食パン専門店』ですが、色んな噂が出てきています。

材料や製法について

高級食パンを実際に食べたことがある方はご存じかもしれませんが、高級食パンの食感は「しっとり」「ふわふわ」なことが多いです。

味は通常の食パンよりも「甘い」ことが多い。

この「しっとり」「ふわふわ」「甘い」を実現するためには、油脂や糖質を大量に生地に練りこむ必要があります。

油脂というのは植物油脂」「バター」「マーガリン」「食用油」「ショートニング」などです。

「油分」や「糖質」を摂取しすぎると健康に良くないのは皆さんご存じですよね。

もちろん店舗によっては材料にこだわって、身体に優しく美味しい食パンを作っていることもあります。

近くの店舗で使用している材料が気になる方は是非問い合わせをしてみてください。

店舗展開する際の契約について

高級食パン専門店は開店前の契約時に高額の手数料やプロデュース料を取るパターンが多いようです。

フランチャイズ本部やプロデューサーは『高級食パンブーム』は一時的なものだとあらかじめ予測していたのでしょう。

これは店舗経営者にとって、5年~10年以上と続くような店舗の場合は有利に働く可能性が高いですが、半年や1年経たず閉店してしまった場合高い初期費用はかなりの損失になります。

フランチャイズ本部やプロデューサーは最初に契約料をもらってあとは店舗の運営者に丸投げなので、売上が落ちようが閉店しようが痛くも痒くもないわけです。

高級食パン専門店を開業した人の中には、専門の知識や経験がないからフランチャイズ契約やプロデュース依頼した方も多いと思います。

専門の知識や経験がない方たちは売上が落ちても自力でお店を立て直すのは難しいですから、泣く泣く閉店し膨大な損失を抱えることになります。

ブームに乗っかれば儲かるという浅はかな考えを持ったのも悪いのかもしれないですが、かなりの【闇】ですよね。

『高級食パン専門店』はもう出店しないほうがいい

まず『高級食パンブーム』は下降傾向にある点です。よっぽどのことがない限りブーム再燃はないでしょう。

現時点で飽和状態にある中で出店するというのは、それなりの根拠や自信がない限りはやめておいたほうがいいでしょう。

出店する際は契約内容の精査や近隣調査をしっかり実施したうえで判断するようにしてください。

そして昨今の原材料価格高騰は今後も継続することが予想されています。

いまは高級食パン専門店だけでなく、薄利多売のパン屋ビジネスには手を出さないほうが無難かと思います。

まとめ

高級食パンと通常の食パンの違いは、”価格の高い材料”を混ぜ込んでいること

話題性や新規客獲得を狙い変わった店名をつける高級食パン専門店が増えている

閉店ラッシュの理由は高級食パンの需要に対して店舗数が増えすぎたこと

高級食パンは「しっとり」「ふわふわ」「甘い」を実現するために、油脂や糖質を大量に生地に練りこんでいるため身体に良くない可能性がある

高級食パン専門店のプロデュースは開店前後に高額の手数料やプロデュース料を取るパターンが多く、開店後は売上が落ちようが閉店しようが痛くも痒くもない⇒損をするのは出資したオーナーだけ

『高級食パンブーム』は下降傾向にあり、店舗はすでに飽和状態なので新たに出店すべきではない

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