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【米国ETF徹底比較】『VOO』と『VYM』どっちが儲かる?

人気米国ETFの『VOO』『VYM』

どちらを購入するのか、迷われている方も多いのではないでしょうか?

2つとも長期で見ると株価が右肩上がりのETFのため、積み立てを想定した場合どちらも適しているといえます。

その中で、投資先を選ぶ際に重要なのがこの2つのETFには大きな違いが2点あるということです。

大きな違い2点をふまえたうえで、どちらのETFがベストか比較します。

 

『VOO』基礎知識

  • ETF名称 ⇒ バンガード・S&P500 ETF
  • ティッカー ⇒ VOO
  • 投資対象 ⇒ S&P500指数
  • ベンチマーク指数 ⇒ S&P500 大型株
  • 経費率 ⇒ 0.03%
  • 設定日 ⇒ 2010/09/07
  • ファンド純資産 ⇒ 2,507億ドル
  • 配当利回り ⇒ 1.50%

『VYM』基礎知識

  • ETF名称 ⇒ バンガード・米国高配当株式ETF
  • ティッカー ⇒ VYM
  • 投資対象 ⇒ 米国の大型株のうち高配当なもの
  • ベンチマーク指数 ⇒ FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス
  • 経費率 ⇒ 0.06%
  • 設定日 ⇒ 2006/11/10
  • ファンド純資産 ⇒ 400億ドル
  • 配当利回り ⇒ 2.84%

【比較】『VOO』と『VYM』

【比較①】『VOO』と『VYM』の投資比率について

VOO』と『VYM』の共通企業は約190社あります。

507社(VOO)と417社(VYM)のうち約190社が共通なので、「この2つは結構投資先が違うETFなんだな」と思うかもしれません。

しかし、企業数で見ると確かに共通するのは約190社なのですが、『VOO』と『VYM』はともに時価総額加重平均による投資を行っています。

(※時価総額加重平均とは、株価指数を算出する計算方式の一つで、構成銘柄の時価総額(株価に上場株式数を掛けた資産価値)の合計を、ある基準時点の時価総額の合計で割って算出します。日本ではTOPIXが、この計算で求める指数の代表的存在です。)

そのため投資比率でいうと『VYM』への投資は『VOO』と約94%同じになります。

分かりやすく金額ベースでいうと、100ドル分の『VYM』を購入した場合94ドルは『VOO』と同じ銘柄への投資になるということです。

つまり、VYM』への投資は『VOO』の一部企業への集中投資を行うということになります。『VOO』と『VYM』両方を持つことによる分散は期待できません。

これらをふまえた上で言い換えると、『VOO』に投資するということは『VYM』には含まれない低配当株、つまりハイテクのグロース株への投資を行うということになります。

上位構成銘柄で見てもAppleやAmazon等のハイテク銘柄は『VYM』には含まれません。

 

『VOO』と『VYM』構成銘柄上位10社

(2022年5月現在)

【比較②】トータルリターンと配当利回り

VOOとVYMの過去36か月間のトータルリターン比較です。

『VOO』のほうが『VYM』と比較して常にトータルリターンが高い傾向にありますが、これは配当金による株価の下落が影響しています。

配当とは言い換えると株価の自動取り崩しなわけですが、配当金は受け取りの際に税金がかかります。

税金の支払いにより複利効果が失われるため、配当の再投資は長期観点では不利になるということです。

配当利回りの高い『VYM』は、『VOO』と比較して長期の資産形成期では配当分だけ損することになります。

【結論】『VOO』と『VYM』

『VYM』は『VOO』(除く低配当ハイテクグロース)と言い換えることができます。

なのでハイテクグロース株は今後も成長し続けると考える場合は 『VOO』、そうでない場合は『VYM』への投資がおすすめです。

また【比較②】でもお伝えした通り、長期での資産形成を想定した場合、配当利回りの低い『VOO』のほうが有利になります。

直近で配当金を使って生活や趣味の足しにしたい場合は『VYM』、配当再投資により資産最大化を目指したい場合は『VOO』を選択するといいのではないでしょうか。

この2点が2つのETFの大きな違いであり、投資先を選択する際の重要な項目です。

 

まとめ

・『VOO』と『VYM』は、右肩上がりのETFのため長期の積み立てにはどちらも向いている

・『VOO』は〈S&P500 大型〉、『VYM』は〈大型かつ高配当〉に投資している

・『VYM』への投資は”『VOO』の一部”への集中投資

・『VOO』への投資は、ハイテクグロース株の成長・値上がりを期待する場合

・長期資産形成の場合は、税金支払いにより複利効果が減少するため『VYM』は不利になる

・『VYM』への投資は、直近で配当金を使って生活や趣味の足しにしたい場合

 

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