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”から揚げ専門店”の閉店ラッシュが止まらない…『鶏笑』『から揚げの天才』『からやま』

2020年に大ブームとなったから揚げ専門店』

『ワタミ』や『すかいらーくグループ』などの大企業をはじめとした、多くの企業が積極的にから揚げ専門店を展開してきました。

出店ブームから数年程経過しましたが、現在では各地で “から揚げ専門店の閉店ラッシュ” が頻繁にみられるようになっています。

から揚げ専門店に一体なにがあったのか?閉店ラッシュの要因は!?解説していきます。

”から揚げ専門店”の推移は?

株式会社東京商工リサーチ[TSR]によると、2021年9月時点での「から揚げ屋さん」運営企業は235社で、「からあげ屋さん」がブームになる前の2017年3月末の109社からは、2.1倍にまで運営企業数が増えているようです。

『からあげ屋さん』が2017年から2倍に この出店攻勢は続くか : 東京商工リサーチ (tsr-net.co.jp)より引用

日本から揚げ協会によると、2022年4月時点での店舗数は4,300店舗以上とされており、10年前の450店舗から約10倍に店舗数が拡大しているようです。

人口が減ってきている中で店舗数が10倍になっているというのは驚きですね。

リュウジ@料理のおにいさんバズレシピ(@ore825)さん / Twitterより引用

”から揚げ専門店”はなぜブームになった?

ブームの要因は大きく分けて2点あります。

設備費用が安い

必要な設備は冷蔵庫と鶏肉を揚げるフライヤーのみです。

また、店舗敷地に関してもテイクアウト専門店としての運営なら、10坪程度の狭い店舗でも出店できます。

そのため、他の業態と比較して初期費用と家賃がかなり安く抑えられます

オペレーションが簡単

から揚げ専門店のオペレーションは至ってシンプルです。

タレに漬け込んでおいたから揚げを揚げて、ご飯と一緒にお弁当箱へ詰め込み提供するだけです。

オーナーや店長が店頭に立たなくても、アルバイト・パートスタッフ数名で容易に運営できるのが魅力の1つであり、展開スピードを早められた要因でしょう。

安全面に関しても、高温の油でしっかりと揚げているので、海鮮や野菜等のなま物を扱う場合に比べて食中毒のリスクがかなり低くなります。

”から揚げ専門店”閉店の要因は!?

閉店の要因は2022年以前か以降かによって大きく異なります。順に解説していきます。

2022年以前の閉店要因

閉店ラッシュの1番の理由として考えられるのは、店舗数を急激に拡大しすぎたことです。

「から揚げ屋さん」の運営企業数の推移をみてもわかるように、4年間で2倍以上になっています。

『から揚げの天才』(ワタミが運営)、『からやま』(『かつや』を運営するアークランドサービスホールディングスが運営)や『から良し』(『ガスト』を運営するすかいらーくグループが運営)などが同時に展開を始めたため、全国に「から揚げ屋さん」が大量出店しました。

他店との差別化ができず、目新しさもなく売上が伸びないことで、から揚げ業態全体として赤字に転落していったと予想されます。

から揚げを毎日食べるような人はそうそういないですから、需要に対して店舗数が大きく上回ったのでしょう。

2022年以降の閉店要因

ロシア・ウクライナ戦争をきっかけに食材価格の高騰・電気料金等の高騰が起こっています。

食材では特に食用油の値上がり率が最も高く前年同月比で+39.3%も値上がりをしています。

から揚げ専門店で食用油+光熱費が高騰するとどうなるのか…想像するだけで恐ろしいですよね。

後藤達也(@goto_finance)さん / Twitterより引用

過剰な店舗数の拡大に耐えた店舗も、数%の利益しか出ていなかった店舗に関しては今回の値上げで赤字転落となります。

安くて美味しいというのが『から揚げ専門店』の良いところですから、販売価格の値上げもそう簡単にはできません。

営業利益率が5%や10%超えの店舗ばかりではないでしょうから、今後もまだまだ閉店する店舗は多数でてくるのではないでしょうか。

今後のから揚げ専門店の行方に注目していきたいところですね。

『から揚げの天才』にまつわる怪しい疑惑についてはこちらの記事をご覧ください。

コメント

  1. 岡野浩一 より:

    ウクライナ情勢による原材料の高騰
    原油価格の高騰も拍車を掛けている
    加えて鳥インフルエンザによる肉の調達の困難
    ¥50円までなら値上げも受け入れるから営業を継続して欲しい

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